近年、タバコが歯周病を悪化させる危険因子だということがわかってきました。タバコは化学物質の塊とも言われるくらいの化学物質が入っています。この化学物質が問題になっています。厚生労働省の『最新たばこ情報』ではタバコからは約3000種類の、タバコの煙からは約4000種類の化学物質を分離できたという報告があります。また、タバコの煙に含まれる化学物質のうち、人体に有害なものは250種類を超え、発癌性が疑われるものは50種類を超えると言われています。中でも有名な化学物質がニコチン、タール、一酸化炭素ではないでしょうか。
多くの化学物質が入っているタバコを吸うことにより、以下の問題が発生します。
1:歯周病菌と戦うはずの白血球の機能が低下する
2:歯茎に酸素や栄養を供給するのに大切な血管が、ニコチンによって収縮してしまう
3:傷付いた歯茎を修復するために必要な線維芽細胞の働きが抑制されてしまう
4:歯と歯茎の境目にある溝の中の酸素濃度が低下し、歯周病菌にとって繁殖しやすい環境を作ってしまう

また、タバコを吸う人は吸わない人に比べて約3倍も歯周病にかかっており、2倍も多く歯を失っているというデータがあります。また、喫煙本数と比例して歯周病が重症化することも分かっています。
歯周病にならないためにも、口腔内を清潔に保って頂きたいですね。

日野歯科医院