モミジに思う
昨日、有馬の瑞宝寺公園では紅く色鮮やかなのもみじが少なく残念だと書きましたが、私のような下世話な人間はどうしても赤ければ赤いほどいいと思ってるんですよね。
色のバリエーションを愛で、情緒を楽しむことのできる感性を持った文化的人間になりたいですよね。
で、改めてもみじについて考えてみました。
私たちは紅葉を「こうよう」や「もみじ」と読んでいますが、あまり考えることもなく、適当に使い分けていますよね。
「こうよう」はもちろん広い意味では山の草木の葉の色が緑から黄色や赤色に変化することで、この「こうよう」には一般に、赤色に変わる「紅葉(こうよう)」、黄色に変わる「黄葉(おうよう)」、褐色に変わる「褐葉(かつよう)」の3種があります。
で、「紅葉(こうよう)」や「黄葉(おうよう)」や「褐葉(かつよう)」する草木の中で有名なのが「紅葉(もみじ)」ですね。
紅葉(もみじ)は別名カエデ・・・というか本名カエデで、カエデ科カエデ属の木の総称です。
楓(かえで)と紅葉(もみじ)は植物分類上は同じものですが、その中で日本のカエデの代表がイロハモミジです。カエデの園芸品種は300種以上もあるそうです。
楓の中で特に紅葉の美しい種類を「もみじ」と呼んだり、盆栽や造園の世界では葉の切れ込みのの浅いものを「かえで」、深いものを「もみじ」と呼ぶそうです。
ちなみに英語では「メープル」で、カナダ産の「かえで」の樹液からとったものが「メープルシロップ」ですね。
葉で作られる糖分が気温が低くなると枝の方に流れなくなり、葉に残された糖分が多いほど赤くなるので、日中暖かく夜冷えるような日が続いた場合に真っ赤な紅葉が楽しめます。
今年は暖かい日が続き、日夜の寒暖差も大きくないため、瑞宝時公園の紅葉も赤く色づかないまま散っているものが多かったのもうなづけます。
温暖化の影響で見頃が立冬以降という名所も珍しくなく、「紅葉」は近い将来冬の季語になるかもしれません。
モミジの漢字表記ですが、俳句や和歌の世界では、万葉集はじめ、万葉時代は「黄葉」で、平安時代、古今和歌集以降「紅葉」になったそうです。
今年の瑞宝寺公園はまさに黄葉が多かったわけです。
こんなところにも地球温暖化問題が影を落としています。
本当に心配ですね。