歯周病のもとになる様々な歯肉炎
歯周病の初期になると、歯肉に腫れが発生し、ブラッシング時に出血しやすくなります。それが、歯肉炎と呼ばれる状態です。
歯肉炎の段階であれば、まだ歯槽骨が溶かされる状態にまで至っていないため治療もそれだけ短く済みます。しかし、歯肉炎は自覚されないこともあり、知らず知らずのうちに進行して中等度や重度の歯周病へと進行することも珍しくありません。そのため、歯肉炎の段階で治療を開始したいところです。
なお、一言で歯肉炎と言ってもいくつかの種類があります。そこで今回は、歯肉炎の種類とその特徴をご説明したいとお思います。
●単純性歯肉炎
プラーク(歯垢)に繁殖した細菌によって炎症が引き起こされた歯肉炎です。歯肉炎の主流です。
●複雑性歯肉炎
プラークに加え、身体に発生した何らかの要因をきっかけに発症した歯肉炎です。複雑性歯肉炎に該当するものとして主に以下が挙げられます。
・妊娠性歯肉炎
妊娠中はホルモンバランスが乱れやすくなり、その状態をきっかけに口腔内の細菌が繁殖し、歯肉炎へと至ります。
・増殖性歯肉炎
薬剤の使用によって引き起こされる歯肉炎です。たとえば、ニフェジピンと呼ばれる高血圧を改善する薬を使用することで発生するニフェジピン性歯肉炎や、てんかん治療薬フェニトインを長期間にわたり使用することでフェニトイン性歯肉炎が発生することがあります。
・慢性剥離性歯肉炎
歯肉の表面が剥がれる状態になり、また痛みを伴う歯肉炎です。女性に多く見られ、その原因はストレス、ビタミン不足、ホルモンバランスに関係していると言われていますが、正確な原因はまだ分かっていません。
・急性壊死性潰瘍性歯肉炎
突然歯肉が腫れ始め、歯肉が壊死する歯肉炎です。痛みと強い口臭が現れ、放置すれば周辺部位へも異常が進行します。口腔内の衛生不良やストレスが原因と言われていますが、正確な原因はまだ判明していません。
当院では、健康的な歯茎を取り戻す様々な治療を行っております。