北のカナリアたち
北海道の離島に赴任してきて、6人の生徒を受け持つことになった
小学校教師、川島はる(吉永小百合)は、彼らの歌の才能に気づき、
合唱を通して彼らや島の人たちの心を優しく包み込んでいきます。
ところが悲しい事件が起こり、子供たちは心に深い傷を負い、
はるは追われるように島を離れます。
20年後、図書館司書として働いていたはるのもとに、
生徒の1人が殺人事件を起こしたという知らせが届きます。
「あの子が、そんなことをするはずが・・・」
その真相を知るため、はるは6人と再会することを決め、北に向かいます。
20年前の事件の後、歌うことをやめた6人の口から語られるのは、
当時の事件についてそれぞれが抱いていた後悔と、大きな傷、
それを20年間言えずにいた深い悲しみでした。
そしてそれを知ったはるは、自分もまた心に閉じ込めていた思いを明かし、
はると6人にとって20年間凍り付いていた時間と心が融解していき、クライマックスを迎えます。
イヤー、泣きました。
みんながみんな真面目でいかにも日本人らしい生き方をし、
王道で道徳の教科書に出てきそうな陳腐な結末の映画、
といえなくもありませんが、
上質なミステリーの謎解きのような展開と、
それにマッチした北の厳しくも雄大な風景を描写した木村大作のカメラ。
いい映画だと思います。
まあ、突っ込みどころも満載ですが。
はるが6人と話をするのはたいてい屋外の、時には吹雪の中。
(普通、屋内やろ。傘ぐらいさしよ。)
しかも手袋やフードをしていなくても、寒そうな顔一つしません。
(普通、「さっぶー」という表情や格好になるやろ。)
吉永小百合は本当にきれいすぎます。
(普通、ほっぺや鼻が赤らむけどな。)
吉永小百合の不倫相手仲村トオルは、今海外で地雷処理の仕事。
(唐突で笑えんおちやなー、もう少しほかの仕事なかったん。)
是非ご覧になってください。
監督の阪本順治は私の高校の同級生です。
まあ、彼は文系、私は理系だったので、
まったく接点はなかったんですが・・・