前回日本人の平均寿命の話をしましたが、これをもう少し詳しく解説してみましょう。

まず縄文時代は約1万年という幅を持っているわけですが、
その間死亡率は改善されなかったと言われています。
その後の弥生時代、古墳時代も縄文時代とほとんど変わらず、平均寿命は14.6歳ぐらい。
室町時代になっても15.2歳ぐらいと言われています。

皆さんはこの寿命をものすごく短いと感じると思いますが、
平均寿命というのは「0歳児における平均余命」で、
生まれたての子があと平均何年生きることができるか
を表したものだということに注意する必要があります。

この時代は15歳までに死亡する率、特に乳幼児の死亡率がひじょうに高く、
したがって平均寿命はとても短くなるわけです。

そこで下に、15歳まで生き延びることができた子が
その後平均何歳まで生きたかを調べた表を載せました。

これを見ていただきますと、古代は15歳まで生きていれば、
その人たちの平均死亡年齢は30歳ぐらい、
つまり、何とか子供時代を生き延びれば、
30歳ぐらいまでは生きることができたということがわかります。


そして江戸時代には40歳程度ということになるわけですが、
それにしても今から考えると非常に短い一生だったんですね。

「15歳以上に達した者の平均死亡年齢の時代変遷」

縄文時代: 男31.1歳/女31.3歳

弥生時代: 男30.0歳/女29.2歳

古墳時代: 男30.5歳/女34.5歳

室町時代: 男35.8歳/女36.7歳

江戸時代: 男43.9歳/女40.9歳

(以上は古人骨より推定)

189198年調査:男55.7歳/女57.1歳

196566年調査:男70.3歳/女75.0歳

(以上は人口統計より)

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